ライバルは天才か? 悪魔か?
宿命の対決に、驚愕の結末が!
「2人の異なる未来を切り開けるか? 名探偵の『選択』の物語」
作家・法月綸太郎(のりづきりんたろう)
<この中の誰かが私を殺す――>
天才的推理で知られる“男爵(バロン)”こと桐原(きりはら)は主催の晩餐(ばんさん)会でそう宣告した。招かれた客は作家探偵霞田志郎(かすみだしろう)をはじめとする6人の男女。彼らには男爵を殺す「動機」があった。翌日、招待客の1人が毒物で急死。他殺なのか? 桐原の冷徹な頭脳が何かを企(たくら)んでいるのか? やがて、数日前に発生した不審な火災と桐原を繋(つな)ぐ線が浮上した時、悪魔のごとき計画が明らかに……。事件と探偵がいかに関わるべきか、対立し続けた男爵と霞田。2人の対決に、驚愕の結末が!
「宿敵はもう1人の自分? 操(あやつ)りの呪縛(しゅばく)を断(た)ち切れ!」
作家・法月綸太郎
4つの悲劇を演出する“男爵(バロン)”桐原嘉彦(きりはらよみひこ)という人物は、霞田志郎(かすみだしろう)にとって「ありうるかもしれない未来」の自分にほかならない。志郎が選ぶ道を誤れば、2人の名探偵の人生はループして、終わりのない地獄巡り(ネバーエンディング・サイクル)と化すだろう。どうすれば操(あやつ)りの呪縛(じゅばく)を断(た)ち切って、異(こと)なる未来を切り開くことができるのか? これはそのような問いに直面した、名探偵の「選択」の物語である。