新世紀ヴァンパイア・サーガ、クライマックスへ!
龍の前に立ちはだかる最強の『敵』の正体!?
教皇狙撃、続発する高位聖職者の失踪、死者たちの復活……古都ローマに異変が! これは「最後の審判」なのか?
決戦の地ローマへ。トリノの戦いで深手を負った〈緋色(ひいろ)の龍〉こと龍緋比古(りゅうあきひこ)は、忽然(こつぜん)と姿を消した。邪神の正体を探るため自らの過去を遡(さかのぼ)ろうとしていたのだ。一方、柚ノ木透子(ゆのきとうこ)たちは、拉致(らち)された吸血鬼タジオを追って、教皇狙撃事件で騒然とするローマ市内へ。折しもヴァティカンでは、高位の聖職者が失踪(しっそう)する事件が頻発(ひんぱつ)していた。銃撃後、行方不明の教皇を捜す修道士セバスティアーノ、そして透子の前に、再び邪神が姿を現す。絶体絶命の危機に、ふたりの身体にかつてない異変が……。
<著者のことば>
取材に行った2006年7月のローマはとんでもなく暑かった。あまりの暑さに頭が煮えて、イタリア初体験、ヴァティカンの郵便局で掏摸(すり)に財布を抜かれた。独(ひと)り旅のときは警戒を忘れなかったのに、編集者のサポートのお陰でかえって気が抜けていたらしい。いま思い出しても腹が立つ。神のお膝元でもふとどきな人間は少なくない。皆様、かの国をお訪ねの際はくれぐれもご用心を。