奇妙な作風で注目の気鋭、今度は“自首”ミステリ!
自首したい!? させない!? できない!? どうすりゃいいんだ?
殺した男も殺された男も、それぞれ自首できない理由があって……。
被害者の手帳に残された、不思議な“自首物語”との関連は!?
これから自首すると言って、目撃者を油断させ、隙をついてそいつも殺す
自首すると言ったら、被害者にやめてくれと怒られた。いったいなぜ?
自首したら、今度あいつが死のうとした時助けてやれない。どうしよう
軽い罪で自首して、せっかく殺人罪を、のがれたのに……
etc.
「人を殺したので自首する――」
自称映画監督の勝馬(かつま)に幼馴染みの小鹿(こじか)が告白した。殺人を犯し自首すると約束していた友人が急に翻意したのでかっとなったという。しかし、殺した相手というのが、かつて犯罪をおかしてもいないのに自首騒ぎを起こしたいわく付きの人物。今回の自首騒ぎにも何かいわくがありそうで……。
勝馬には勝馬で正直者の小鹿に自首されては困る事情があった!?
前代未聞の“自首”ミステリ誕生!
■著者のことば
プロローグの「通路の両側に受付があり、どちらに自首すればいいのか迷う警察署」は実在します。出鼻をくじかれて自首をやめてしまう人がいやしないかと、少し心配です。