<幽霊係2代目登場――? 柏木雅彦(かしわぎまさひこ)、大喜びで御役(おやく)ゴメン!? >
「幽霊が見えるんです!」柏木雅彦警部補を訪ねてきた青田(あおた)刑事はそう切り出した。マンモス団地のボヤで亡くなった人の霊が見えるらしい。警視庁特殊捜査室で幽霊の事情聴取を担当する柏木は、この若い刑事を鍛えて自分の任務を押しつけようと考えた。気弱な柏木にとって霊のお相手はとかく苦労が絶えないのだ。早速、現場を訪れるが亡くなった老婦人の話から火事に不審な点が。物の記憶が読める高島佳帆(たかしまかほ)警部に協力を仰(あお)ごうと、現場に残された市松(いちまつ)人形を持ち帰るが、それは恐るべき力を持っていた……。
<著者のことば>
以前勤めていた会社の先輩が、奥さまとご一緒にこの『警視庁幽霊係』シリーズを愛読してくださっているそうです。大変ありがたいことです。しかし「おれはあの女子高生の幽霊が不憫(ふびん)でならん! あの娘を生き返らせてやれ」って言われたのにはちょっとびっくり。いくら大恩ある先輩のご意見とはいえ、それはどうかと思うわけですよ……。