〈新宿〉を改造、支配せよ。
巨大企業体(グローバル・コングロマリット)の
魔手が迫る!
〈著者のことば〉
久々に新宿へ出たら、上京後はじめて行った時からある鞄(かばん)屋を含むビルが、「ティファニー」に化けていたので、死ぬところだった。現実はかくも厳(きび)しく容赦(ようしゃ)がない。せめて、〈魔界都市“新宿”〉は――とはいかないのである。魔人たちが棲(す)み集(つど)う街は、さらに激しく苛烈(かれつ)に変貌(へんぼう)を遂(と)げていく。本編のように。
妖物(ようぶつ)由来の難病特効薬など、300兆円超とも試算される〈新宿〉の利権。その独占を狙(ねら)う〈区外〉の巨大企業体(コングロマリット)「四星(よつぼし)グループ」の野望を〈区〉に密告すべく、真城太一(しんじょうたいち)は「〈新宿〉開発計画」のデータを持ち出した。暴力団や骨格装甲(ボーン・アーマー)をまとう“戦争屋”らに襲われるが、なぜか“妖術射撃”を操(あやつ)る男Bマンや、美貌(びぼう)のボディガード水咲(みなさき)ミチルが現われる。そんな中、なんと〈区長〉の梶原(かじわら)が計画を受諾(じゅだく)。太一の兄の依頼を受けた人捜し屋(マン・サーチャー)秋せつらが怒りを滾(たぎ)らせた時、「四星」首脳が〈区〉に入り、計画の恐るべき真の目的が浮上した!