〈魔界都市〉を霧が覆(おお)う時、悪夢が始まった!
未曾有(みぞう)の危機を
人捜し屋(マン・サーチャー)秋(あき)せつらが
迎え討つ!
大人気シリーズ最新作!
〈著者のことば〉
冬の雨が降り注(そそ)いでいる日に新宿へ出た。靖国(やすくに)通りを四谷(よつや)方面へ歩いていると、途方もなく美しいコート姿とすれ違った。彼は誰かを捜(さが)しているふうだった。何かだったかもしれない。そのとき――雨に煙(けぶ)る通行人の影が形を変えた。マンホールの蓋(ふた)を吹きとばして、触手(しょくしゅ)のようなものが躍(おど)り出た。おお、ここは〈新宿〉ではないか。そして、美しい人捜し屋(マン・サーチャー)の物語がはじまる。
「霧のせいだと思います」依頼人の加奈江(かなえ)は、美貌(びぼう)の人捜し屋秋せつらに告げた。恋人で、将来を嘱望(しょくぼう)される人工知能(AI)開発者の神台省吾(じんだいしょうご)が失踪。霧が好きだったという。妖物(ようぶつ)ら異形(いぎょう)の溢(あふ)れる〈魔界都市“新宿”〉は今、〈霧の時〉を迎えていた。霧に魅(み)せられてその奥へ消える者、帰還する人々。やがて、神台を執拗(しつよう)に追う〈区外〉の男たちを、霧の向こうに巣食(すく)うものたちが呑み込んだ! 前代未聞の霧の侵略から〈新宿〉を救うべく、せつらはドクター・メフィストを訪ねるが――。(「霧ふかき街」より)
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