成功者となった仲間を祝う席で
恩師を「殺させた」のは誰か?
“切れすぎる”探偵・碓氷優佳(うすいゆか)、
戦慄(せんりつ)の名推理。
美しき“モンスター”6年ぶりの降臨!
〈著者のことば〉
これまでの碓氷優佳シリーズは、優佳と視点人物の対決を描いてきました。仕掛ける側と切り崩す側の、穏やかで息詰まる駆け引き。それを立会人目線で描くと、どのように見えるのか。本作はそのような着想から生まれました。高校時代の親友、上杉小春(うえすぎこはる)。15年ぶりの再会です。
武田小春(たけだこはる)は、15年ぶりに再会したかつての親友・碓氷優佳とともに、予備校時代の仲良しグループが催(もよお)した祝賀会に参加した。仲間の一人・湯村勝治(ゆむらかつじ)が、ロボット開発事業で名誉ある賞を受賞したことを祝うためだった。出席者は恩師の真鍋宏典(まなべひろのり)を筆頭に、主賓の湯村、湯村の妻の桜子(さくらこ)を始め教え子が9名、総勢10名で宴は和(なご)やかに進行する。そんな中、出席者の一人・神山裕樹(かみやまゆうき)が突如ワインボトルで真鍋を殴(なぐ)り殺してしまう。旧友の蛮行に皆が動揺する中、優佳は神山の行動に“ある人物”の意志を感じ取る。小春が見守る中、優佳とその人物との息詰まる心理戦が始まった……。