戦車の砲身がこっちに向いた!
次の瞬間、鼓膜が破れそうな爆音と同時に顔面に痛みが走った。
無数に突き刺さるコンクリート片とともに男・宮嶋は歴史の目撃者となった。
ついに不肖・宮嶋、負傷せり!
その時、「パパパパパン!パパパパパン!」
頭に血が上った同士が、水平にフルオートで撃ち合いを始めた。
カラシニコフの連続音がし、火花を見た瞬間、足が全速力で動いていた。<中略>左半身が動かん。左手も痛い。どないなっとんや?
(「不肖・宮嶋、負傷せり!」より)
<カメラがあればどんな危険な現場にも踏み込める>
やれる!私が判断したのと同時に、ほぼ全員が運ちゃんにGMCを止めさせた。
どう見ても焼き討ちである。<中略>
私はリアル・コンバットより暴動取材のほうが専門である。炎上するバース党の前で笑っとる以上、旧権力サイドではない。反サダムというか、略奪者である。ならば勝算はある。
「よっしゃあ! 10分、いや、5分以内にこの車に戻って来い! 各自、エエか!」
「遅れたら置いていくからな! どんなシーンが撮れようと5分以内! 同意するか?」全員が頷き、GMCから飛び出した。
(「略奪と放火の嵐」より)