「敵ながら天晴」
玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語
映画「太平洋の奇跡」原作、待望の復刊!
命がけで民間人を守り、義を貫いた大場隊の知られざる勇戦!
1944年、太平洋戦争の末期、壮絶を極めたサイパンのタッポーチョ山での大場栄大尉らの512日にわたる戦いを、大尉自らの検証のもとに、敵であった元アメリカ兵が書き上げた迫真の実録フィクションである!
著者のドン・ジョーンズ氏が突然「大場大尉」と言って、私に電話をかけてきたのは、昭和40年だった。当時、彼は新潟のアメリカ文化センターの所長をしていた。すでに大場大尉と呼ばれることがなくなって久しかった私にとっては、その呼びかけは異様であり、不気味でさえあった。
(大場栄大尉の「刊行に寄せて」より抜粋)
<「敵ながら天晴」と元アメリカ兵が感銘して執筆!>
武士は私怨で争うのではない。戦わざるを得ない状況で、直接の相手に怨(うら)みはないが、全力をつくして戦う。その戦い方がよければ「敵ながら天晴」と称賛する。
あの悲惨なサイパン島玉砕の後も、大場隊は敗戦後3ヵ月半、見事に戦いぬいたうえ、堂々と山を降りてきたのだ。当時の米兵が「敵ながら天晴」と感銘して書いた異色実録小説である。
渡部昇一