今、なぜ寺田寅彦か? 「現代の科学」を見直し、進むべき道を探る!
線香花火/金米糖(こんぺいとう)/身長と寿命/音の世界/透明人間/電車の混雑について/こわいものの征服/人魂(ひとだま)の一つの場合/自然界の縞(しま)模様/蓑虫(みのむし)と蜘蛛(くも)/蜂(はち)が団子をこしらえる話/鳶(とんび)と油揚/瀬戸内海の潮(しお)と潮流/夕凪(ゆうなぎ)と夕風/地震雑感/神話と地球物理学……全35篇をわかりやすい解説と共に!
「今、なぜ寺田寅彦か」と問えば、文化としての科学の原点を取り戻したい、同時に科学はどのような方向へ進むべきかの指針が欲しい、そんな気持ちが誰にもあるからではないかと思う。大震災と原発事故を経験して、科学は本当に人間を幸福にしたのかと問いかけながら、しかし科学と縁を切って生きることもできない。もう一度、現代の科学を見直すためには寺田寅彦は格好の道標なのである。(池内 了)