MBA、英語力、法科大学院、IT技術……
誰もが「自分探しと希望探し」に精を出す、
国民総「ポジティブ・バカ」時代の行き着く先は?
誰も気づかなかった「スキルアップ」「夢」「成功」の虚妄!
→日本人はなぜ「セルフヘルプ」が好きなのか
→「流した汗が報われる」の幻
→「勤勉と成功の時代」の終焉
→漱石が喝破していた「成功」と「独立」
→「構造改革」は何をぶち壊したのか
日本人が冒された「自助(セルフヘルプ)」という社会病理
「失われた20年」と軌を一にするように、日本人の間で自己啓発ブームが巻き起こった。合言葉は「スキルアップ」、「セルフヘルプ」、「夢をかなえる」……。このブームを支えたのが『自助論』という翻訳書だ。自己啓発に励む日本人は、同書をバイブルとして崇め立てた。
だが、そのバイブルは実は抄訳であり、成功のためのハウツー集となっていることに気づかず、人々は「ゆがめられた自助」を盲信してきたのだ。自己啓発ブームの結果、格差は拡大し、「あきらめ感」が蔓延した。本書では現代日本の社会病理を徹底的に解剖する。
なぜ、日本人は「自助の精神」をはき違えたのか?
○スキルアップの「三種の神器」とは
○自分探しと希望探し──「自己」は内へ内へと向かう
○かくして日本は負け組が主流となった
○ゆがめられたスマイルズ著「自助論」の精神
○バブルを知らない世代は、いかに「あきらめた」のか