日本・アメリカ・スイス・中東・キプロス・中米……
1990年、バブル日本を騒然とさせた「ニセ・ガネ事件」には
国際的な錬金術が仕組まれていた!
日本がバブル景気に沸いていた1990年1月31日、新聞が伝える「事件」に国民は仰天した。昭和天皇在位60年を記念した10万円金貨(通称『ヒロヒト金貨』)の「偽造品」がスイスから日本国内に大量流入、警視庁が発表。その総額は100億円を超えていた。この事件では日本人コイン商が取調べを受け、渦中の人となったが、作家の「私」は疑問を持つ。そして事件の背景に、日米欧、中東、中米を股にかけた巨大な陰謀が浮上する――。