ポンパドール夫人、ナポレオン、
ドゴール、マクロン……
歴史に名を残す人物たちが住んだ
権力の中枢は、愛憎蠢(うごめ)く場所だった。
知られざる真実を、パリ在住27年の元産経新聞支局長が暴く!
エリゼ宮の人間ドラマから、フランスが見えてくる
王政から流血革命を経て共和制、帝政、王政復古、そしてナチス・ドイツの占領を経て現在の第五共和制と目まぐるしく体制が変わった約300年のエリゼ宮の歴史と代々の住人の逸話を紐解くことで、国連常任理事国、主要国首脳会議(サミット)や欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)などの主要加盟国として、曲がりなりにも大国の地位を保ちつづけるフランスの権力の拠り所を探り、同様に長い歴史を持つ日本との相違も探ってみたいというのが、本書の執筆動機でもある。(まえがきより)
フランスの歴史・政治・文化が凝縮した場所
フランス大統領の仕事場であり生活の場でもあるエリゼ宮。歴代の住人には、ルイ15世の愛人ポンパドール夫人や皇帝ナポレオンも名を連ね、大統領府となる以前からフランスの権力争いの中心だったことがうかがえる。愛人を連れての入居、暗殺、白血病で死の数日前まで閣議など歴代大統領の逸話も劇的だ。フランスの歴史がよくわかり、同時にフランス人の生態をも浮き彫りにしてくれる稀有な1冊。
序 章 エマニュエル・マクロン
第1章 エリゼ宮の誕生
エヴリュ伯爵、アンヌ=マリ、ポンパドール侯爵夫人
第2章 各部屋に遺る歴史の面影――革命から帝政へ
ルイーズ=バチルド・ドルレアン、詩人ヴィニー、ナポレオン
第3章 王政復古から共和制へ
ベリー公爵、ルイ・フィリップ1世、ナポレオン3世
第4章 共和制の確立――第三共和制から第五共和制
ティエール、マクマオン、クレマンソー、ポアンカレ、ドゴール、ポンピドー