全54帖をすみずみまで訳した
現代語訳の決定版、待望の文庫化!
全面改訂して、ますます読みやすくなりました
2013年毎日出版文化賞特別賞受賞作品
源氏の説得で姫を紫上に託すことを決意する明石の御方。源氏の最愛の人・藤壺は源氏に見守られながら息を引き取り、冷泉帝は自身の出生の秘密を知ることとなる。夕顔の忘れ形見である玉鬘の発見。夕霧と雲居の雁との恋。そして太政大臣となった源氏は、広大な六条院を造営し、人生の栄華を極める。源氏、31歳から36歳まで。
◎謹訳とは――題して『謹訳 源氏物語』としたのは、原典の持つ深く豊かな文学世界を、忠実謹直なる態度で解釈し味わい尽くして、作者の「言いたかったこと」を、その行間までも掬い取りたいという思いを込めたのである。(林 望)