各界が絶賛した全五十四帖
現代語訳の決定版、待望の文庫化!源氏亡きあと、出生の秘密に悩む薫。「宇治十帖」の幕が開く。
光源氏が世を去って後、六、七年が過ぎた。女三の宮腹の若君・薫は、自らの出生の秘密に悩む。
薫君、匂宮を中心に、物語は傑作「宇治十帖」へ。薫十四歳から二十四歳まで。
解説・大輪靖宏(上智大学名誉教授)
◎謹訳とは――題して『謹訳 源氏物語』としたのは、原典の持つ深く豊かな文学世界を、忠実謹直なる態度で解釈し味わい尽くして、作者の「言いたかったこと」を、その行間までも掬い取りたいという思いを込めたのである。(林望)