各界が絶賛した全五十四帖
現代語訳の決定版、待望の文庫化!
恋の苦しさを描く出す傑作「宇治十帖」、いよいよクライマックスへ。
2013年毎日出版文化賞特別賞受賞作品
姉・大君を喪った中君は心を砕くような悲しみの中にいる。薫もまた大君の他界後、涙に暮れて過ごしている。そんななか、匂宮は、中君を京の二条院に迎い入れることを決めるのだった。薫二十五歳から二十六歳まで。解説・三浦しをん(作家)。早蕨、宿木、東屋を収録。
◎謹訳とは――題して『謹訳 源氏物語』としたのは、原典の持つ深く豊かな文学世界を、忠実謹直なる態度で解釈し味わい尽くして、作者の「言いたかったこと」を、その行間までも掬い取りたいという思いを込めたのである。(林望)