各界が絶賛した全五十四帖 現代語訳の決定版、待望の文庫化!−堂々完結−
この謹訳は、のちのちの人達にも長く読みつがれていくことになるだろう。−千住博氏
匂宮は、かの二条院で偶然に見出した女が忘れられない。薫は浮舟を宇治も山荘に住まわせるが、通いは間遠であった。薫と匂宮の間で懊悩する浮舟。大いなる余韻を残し、物語は終わりを迎える。薫二十七歳から二十八歳まで。解説・千住博(日本画家)浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋を収録。
◎謹訳とは――題して『謹訳 源氏物語』としたのは、原典の持つ深く豊かな文学世界を、忠実謹直なる態度で解釈し味わい尽くして、作者の「言いたかったこと」を、その行間までも掬い取りたいという思いを込めたのである。(林望)