剣戟(けんげき)の緊迫感がたまらない!
読み進むごとに手に汗握る、鳥羽剣豪小説の真骨頂
「うぬも、虎の餌食(えじき)になるがいい」切腹に臨む侍が野晒唐十郎(のざらしとうじゅうろう)に言葉を投げかけた。その男は、誅殺(ちゅうさつ)組と称(しょう)して旗本を斬殺する一派であった。「虎」とは何か? やがて、幕府の小人目付や目付が次々と斬られていく。背後に渦巻く幕閣の権力闘争。そして、唐十郎の「鬼哭(きこく)の剣」も及ばぬ必殺剣「虎伏(とらぶせ)」とは! 手に汗握る緊張、全編凄絶なる闘い。これぞ剣豪小説の白眉(はくび)!