陸軍を代表し、天皇と国民に謝す
武士道を貫き、敗戦の日に自刃した覚悟の陸軍大臣!
〈一死 以(モッ)テ大罪ヲ謝シ奉(タテマツ)ル〉全陸軍を代表して天皇および国民に謝罪し、敗戦の朝自刃(じじん)した最後の陸軍大臣阿南惟幾(あなみこれちか)。憧(あこが)れの乃木希典(のぎまれすけ)からの一言で、武士道を貫いた軍人生活は始まった。天皇へ忠義を誓った侍従官時代を経て東條英機(とうじょうひでき)と対立した武人は、陛下の意に反すると知りながら、なぜ本土決戦を主張したのか? 廉潔(れんけつ)、勇猛な希代(きたい)の将軍の、波乱と覚悟に満ちた生涯。