「わたし、普段はこんなことをする女じゃないのよ…」
夜の路上で偶然出会った僕の「運命の女(ファム・ファタール)」は人妻だった…。
胸に染みいる気鋭の叙情官能。
「わたし、普段はこんなことする女じゃないのよ……」
道端で酔いつぶれていた奈津実(なつみ)となりゆきでラブホテルに入った二十歳の正道(まさみち)。三十歳の彼女の指には、結婚指輪が光っていた。正道のアパートに居着き、「ついに離婚の決意がついた」という奈津実に、真実の愛をみつけたと正道は感無量。しかし……。青年期の年上女性への憧れと恋慕(れんぼ)、そして失意を描く青春叙情ロマン。