危うし、八百八町
風烈廻り与力と隠密同心が江戸を疾(はし)る!
深川の中堅材木屋が木材を大量に買い占めていた。不審に思った風烈廻り与力青柳剣一郎(あおやぎけんいちろう)が主(あるじ)に訊(き)くと、百年前の明暦(めいれき)大火に匹敵する災厄(さいやく)が起こるという。単なる噂ではない、誰かが途轍もないことを目論(もくろ)んでいると剣一郎は睨(にら)む。一方、駿河(するが)で残虐な強盗を働いていた闇太夫(やみだゆう)一味が江戸へ潜入したという報せが。南北両奉行が狼狽(うろた)えるなか、剣一郎の肩にすべてが掛かった!