人の業(ごう)を断ち、魂(たましい)を救う
静かなる剣
我が子のため、主人のため、罪を犯した者の
心の叫びを聞く、人情時代小説
斬首刑を受ける者が腰を下ろす場所、土壇場(どたんば)。そこで、科人(とがにん)の最後の呟(つぶや)きに耳を傾けるのは、代々首斬り役を務める山田浅右衛門(やまだあさえもん)七代吉利(よしとし)だった。売られた娘を救うために強盗を働いた錺(かざり)職人、死罪になってなお仇討ちを願う女……。死の間際に彼らが語る真実とは? 人間の弱さと哀(かな)しき業(ごう)を知り抜く吉利が、残る悪しき宿縁を断つべく弔(とむら)いの剣を振るう!