真田幸村が放った必勝の奇策とは!?
密命を受け、根津甚八(ねづじんぱち)・海野六郎(うんのろくろう)らは八丈島へと向かった!
慶長(けいちょう)十九年(一六一四)、徳川家康との戦さの気運が高まる中、豊臣方の武将が続々と大坂城へ入城していた。大坂の陣の幕開けである。だが真田幸村(さなだゆきむら)は、一抹(いちまつ)の不安を覚えていた。大坂城には総大将にふさわしい器を備えた人物がいないのだ。「あの方しかいない」幸村は密かに根津甚八(ねづじんぱち)らを流人(るにん)の島・八丈島(はちじょうじま)に向かわせる! 狂気の総大将を描く、もう一つの「大坂の陣」。