恋一途
「命に代えても申しません」
犯人を庇(かば)うひたむきな娘。
平七朗、どうする!?
本所・法恩寺(ほうおんじ)橋袂(たもと)で麦湯屋をやっている器量よしの娘。奉公所が総力を上げて追う浪人は、必ずその娘と接触するはずだった。だが、そこに現われたのは吟味方与力の一色弥一郎(いっしきやいちろう)。娘を見張っていた橋廻り同心立花平七郎(たちばなへいしちろう)は、娘と楽しげに語らう一色の姿から情報の漏洩(ろうえい)を疑う。自らを犠牲にしてまで浪人を救おうとする娘のひたむきな想いとは……。待望の第9弾。