一路、江戸へ
剣術大試合を目前に、金杉父子が選ぶ帰路と最後の試練とは!
享保11年初秋、江戸の金杉家では父不在のまま、長女みわとめ組の纏(まとい)持ち昇平(しょうへい)の祝言(しゅうげん)の日を迎えていた。同じ頃、嫡男清之助(ちゃくなんせいのすけ)は長きにわたる回国修行を終え、鹿島(かしま)の米津寛兵衛(よねつかんべえ)の墓前にあった。そして惣三郎(そうざぶろう)と神保桂次郎(じんぼけいじろう)は、あろうことか積年の仇敵(きゅうてき)である尾張(おわり)の柳生新陰(やぎゅうしんかげ)流道場に! 因縁(いんねん)渦巻くこの地に踏み入った真意とは!? 上覧剣術大試合は目前、急展開の23弾。