老いてもなお刺客!
齢(よわい)60を越え、武者震いを酒で抑える老刺客に、決着をつけねばならぬ「殺し人」がいた!
大川端(おおかわばた)で侍4人が殺された。その死体の斬り口を見た老刺客・安田平兵衛(やすだへいべえ)の脳裏(のうり)に、ある男の顔が過(よぎ)った。名は鹿内甚内(しかうちじんない)。一匹狼の殺し人で、籠手(こて)斬り陣内と恐れられた男だが、5年ほど前に平兵衛が斬ったはずだった。その夜、「地獄屋」から招集がかかり、侍殺しの報復を依頼される。因縁の男を破るため、老いた体を鍛(きた)え直す平兵衛。鬼気迫る白熱の剣豪小説第9弾。