鳥羽時代小説の真髄、大きな文字で再刊!
鬼哭の剣に立ちはだかる、妖気燃え立つ必殺剣!
<唐十郎(とうじゅうろう)は我が目を疑った。一文字に立てた辻斬りの刀身が、霊気のような青白い光を放ち始めたのだ。しかも刀身の陰で、男の体が棒のように細くなり、ゆらゆらと揺れだした。まさに、それは妖気燃え立つ陽炎(かげろう)だった>大塩平八郎(おおしおへいはちろう)の残党を名乗る盗賊団による相次ぐ押込み強盗、その陰で連続する辻斬り……。小宮山(こみやま)流居合の達人・野晒唐十郎(のざらしとうじゅうろう)を戦慄させた陽炎の剣とは!?