地獄か天国か
――これぞ、鬼六文学の真骨頂!
緊縛の屈辱が快楽に変わる瞬間はあまりにも美しい
約半世紀前、とある人物から作者のもとへ『烈女顛末記(れつじょてんまつき)』という江戸時代の春本が届いた。殺された夫の仇(あだ)を討たんとする気高く美しい女剣士を、卑怯(ひきょう)侍・権三郎(ごんざぶろう)が思いのままに陵辱(りょうじょく)し調教するという内容のその猥本に、作者は初めて人間の嗜虐(しぎゃく)性とは何たるかを教えられる。SM文学の巨匠・団鬼六の原点とも言えるこの物語を、昂奮(こうふん)と妄想をもとに蘇らせた淫虐(いんぎゃく)の長編小説。