鳥羽時代小説の真髄、大きな文字で再刊!
柔なるは蛇(くちなわ)の如し!
唐十郎をつけ狙う、美形の若侍・爛桜(らんおう)。
その妖しき剣が迫る!
「待ちわびたぞ。うぬを斬りたくて、夜も眠れなんだ」鬼面をつけた男は、四尺はあろうかと思われる長剣と二尺余の剣を両手に持ち、天空を突いて構えた。いや、刀ではない。刀身が細すぎるし反(そ)りがまったくない。しかも切っ先の部分が蛇(くちなわ)の頭のように見え、鞭の如くしなるのだ――小宮山(こみやま)流居合の達人野晒唐十郎(のざらしとうじゅうろう)を邪剣が襲う! 疾走感溢れる、これぞ痛快時代小説!