自棄(やけ)になった科人(とがにん)を改心させた
謎の“羅宇(らう)屋”の正体とは?
うだるような残暑の中、俄(にわか)に起こった大火。自分を裏切り大店(おおだな)へ嫁いだおちかを殺そうとして捕らわれていた峰吉(みねきち)は、一時的に解(と)き放たれる。おちかへの未練に苦しみつつも、羅宇(らう)屋の老人・徳三(とくぞう)に諭(さと)され、生きる望みを取り戻した矢先、次々と罠(わな)が……。さらに、行動を共にしていた吉松(よしまつ)も謎の死を遂げる。弱き者を陥(おとしい)れる、真の悪の正体とは? 青柳剣一郎(あおやぎけんいちろう)、執念の探索行!