愉快、爽快、痛快!
まっとうな人々を泣かす奴らはゆるさねえ。
奉行所の「芥溜(あくただまり)」3人衆がお江戸を奔(はし)る!
孫娘の婿(むこ)を訴え出た金貸し・青茶婆(あおちゃばばあ)が、骨董(こっとう)茶入の購入を持ちかけてきた。のうらく者と揶揄(やゆ)される金公事方(かねくじかた)与力・葛籠桃之進(つづらもものしん)に買えるはずもない。だが、それが豊臣秀吉(とよとみひでよし)が愛用した逸品だったと判明して大騒ぎ。直後、婆が殺され、婿は姿を消し、茶入と孫娘は行方(ゆくえ)不明に。捜査を開始した桃之進は、金貸しに札差(ふださし)、唐物(からもの)屋、旗本までもが跋扈(ばっこ)する“欲得地獄”に足を踏み入れて…。