伝説の名帝と軍師の実像と中国史上最大・ひ水の戦いの謎に迫る!
四世紀半(なか)ば、諸民族が覇を競(きそ)う五胡十六国(ごこじゅうろっこく)時代の中国で、てい族の青年・符堅(ふけん)は全民族が平等に暮らせる統一国家建設を志(こころざ)していた。てい族の秦(しん)と鮮卑(せんぴ)族の燕(えん)が中原(ちゅうげん)を二分、江南(こうなん)には中華の正統を継ぐ漢(かん)族の東晋(とうしん)が盤踞(ばんきょ)する中、臥竜(がりょう)の軍師・王猛(おうもう)を得た符堅は秦の皇帝となり燕を併呑(へいどん)、ついに東晋に挑むが……。史上初、民族融和の壮図(そうと)を目指した不世出の名君を描く歴史巨編!(四六判『王道の樹』改題作品)