非情なる辻斬りの秘剣“死突（しにづ）き”
父の敵（かたき）を討つために決死の少年。
安田平兵衛は相撃ち覚悟で敵を迎えた！

辻斬りに遭（あ）った死体を見て、安田平兵衛（やすだへいべえ）は驚愕（きょうがく）した。盆の窪（くぼ）から喉（のど）までひと突きに貫かれていたのだ。相当な手練（てだ）れの仕業（しわざ）である。さらに辻斬りは頻発（ひんぱつ）し、犠牲になった商家から復讐を依頼された「地獄屋（じごくや）」の面々。その中には巻き添えで殺された父の敵（かたき）を討ちたいという少年勇次（ゆうじ）の姿もあった……。死突（しにづ）きと呼ばれる最強の突きを前に、老刺客（しかく）平兵衛はどう立ち向かうのか？