神様も頬(ほお)ゆるめる人たらし。
栄三の笑顔が縁(えにし)をつなぐ!
取次屋の心にくい“仕掛け”に不良少年が選んだ道とは?
居酒屋“そめじ”で秋月栄三郎(あきづきえいざぶろう)の前に座るのは、腕っ節と凶暴さで恐れられる取立て屋の若い衆・捨吉(すてきち)。彼には親に捨てられた哀しい過去があった。“そめじ”の女将(おかみ)・お染(そめ)は、10年前、孤児となった捨吉を真っ当な道に導けなかった後悔を語る。それを聞いた栄三郎は、捨吉の瞳に無垢(むく)な光があるのを見て取り、なぜか貧しい人々を救う医師・弘庵(こうあん)の許(もと)に連れて行く……。