思いきり、泣いていいんだよ。
深川の便り屋・日々堂で、儘(まま)ならぬ人生が交差する。
便り屋・日々堂(にちにちどう)で代書をする剣術家・戸田龍之介(とだりゅうのすけ)は、剣でも恋でも道を譲ってばかり。だが、己(おのれ)が身を退(ひ)けば丸く収まるはずが裏目の日々。実家と並ぶ鷹匠(たかじょう)支配・内田(うちだ)家への婿(むこ)入り話を譲った異母弟・哲之助(てつのすけ)も、思わぬ不幸に見舞われていた。儘(まま)ならぬ人生の皮肉に悩む龍之介。そんな彼を、お葉(よう)の温かい眼差(まなざ)しが見守っていた……。人気沸騰(ふっとう)の“泣ける”時代小説、第5弾!