意地を張って泣くことも、きっと人生の糧(かて)になる。
去る者、入る者。便り屋・日々堂は日々新たなり。
剣術家の戸田龍之介(とだりゅうのすけ)は、朋輩(ほうばい)の三崎(みさき)から酒に誘われた。御徒組(おかちぐみ)次男坊の三崎には、急逝(きゅうせい)した親友の遺言で、その許婚(いいなずけ)・桜木登和(さくらぎとわ)との見合話が進んでいた。桜木家は家格も上で登和は美人。逆玉のはずが、三崎は登和から耳を疑う告白をされていた。話を聞いたお葉(よう)も仰天。直後、日々堂(にちにちどう)では飼い猫のシマが行方(ゆくえ)不明になりさらなる大騒ぎに……。人気沸騰(ふっとう)の“泣ける”時代小説!