どこか憎めぬお節介
悪だくみを聞いた女中を匿(かくま)い、
知らぬ間に男を魅了する女を護(まも)る。
不思議な魅力を持つ素浪人・矢吹平八郎の胸がすく人助け!
己の意思とは拘(かか)わりなく、色香によって男たちを迷わす迷い神。そんな女の見張りを頼まれた素浪人・矢吹平八郎(やぶきへいはちろう)。雇い主は酒問屋の御隠居で、女を妾(めかけ)として囲っているという。大山詣(おおやままい)りの間、間違いがないように見張っておいて欲しいというのだが、初日から女の周りには男の影がちらつき……。つい他人の世話を焼いてしまう、平八郎の“粋”が清々(すがすが)しい傑作時代人情!