「おぬしの居合は、おれにつうじぬぞ」
雲十郎の秘剣を破る、二刀流の剛剣の刺客が現わる!
対抗する新たな必殺剣は見つかるのか!?
「地獄へ送ってやる」“鬼”と名乗った武士は、異様な大小を手にしていた。両刀の長さが変わらず、屶(なた)を長くしたような剛刀だ。その“鬼”によって畠沢(はたざわ)藩の目付(めつけ)が次々と殺される。いずれも頭を柘榴(ざくろ)のように割られていた。再び藩の政争勃発(ぼっぱつ)か。そして江戸で介錯(かいしゃく)の修行を続ける藩士鬼塚雲十郎(おにづかうんじゅうろう)の前にも“鬼”は姿を現わす……。二刀流の剛剣を前に、新たな必殺剣が疾(はし)る。