初めての、生涯一度の恋ならば、みっともなくたっていい。
百年を一夜と引き替えてでも きみと語り合いたい───
“忘れられない人がいる”
あなたに贈る愛の物語。
天文台の赤道儀室(せきどうぎしつ)で「幽霊」を見たと言う早川美沙子(はやかわみさこ)と、ぼくら級友は夜の雑木林へ出かけた。だが「幽霊」は現れなかった。彼女は目立ちたがり屋の嘘(うそ)つきだと言われ、学校で浮いてしまう。怯(おび)えながらぎこちなく微笑(ほほえ)む彼女に、心の底から笑ってほしくてぼくはある嘘をついた──。(表題作)そっとあなたの居場所を照らしてくれる、輝く星のように優しい純愛小説集。