月に導かれし者たちが辿る数奇な運命
二十六夜待ちに消えた姉の帰りを待ち続ける妹。
十五夜に伜(せがれ)が帰ってくると信じてやまない老人。
家族の悲哀を背負い、彼らの行方を追う剣一郎が突き止めた予想外の真実とは!?
二十六夜待ちの晩、高級料理屋『松風(まつかぜ)』の看板娘おゆきが姿を消した。女将(おかみ)は遊び人の冬吉(ふゆきち)と駆け落ちしたと決めつけるが、青柳剣一郎(あおやぎけんいちろう)は女将の頑(かたく)なな態度に不審を抱く。おゆきの妹おしゅんも、そんな相手はいないと証言。数日後、大川(おおかわ)に冬吉が無惨な姿で浮かび……。二人の身に一体何が? おゆきの安否は? 妹の想いを背負う剣一郎が、隠された真実を炙(あぶ)り出す!