陽気な破戒僧不覚(ふがく)が謎を解き悪を断つ、痛快時代小説。
廻国修行の気まぐれに「泰平山末法院(たいへいざんまっぽういん)」の看板をあげ、向島小梅村(むこうじまこうめむら)の荒れ寺に住みついた破戒僧不覚(ふがく)。ものぐさ、出不精(でぶしょう)、食い意地張りでおんな好き。六尺を超える巨躯(きょく)に岩の鎧(よろい)のような筋肉をまとう、宝蔵院流(ほうぞういんりゅう)十文字槍(やり)の手練(てだ)れである。かわら版売りの佐一(さいち)が持ち込むうまい話にのせられ、欲をかいては災厄(さいやく)に見舞われるが──人の世の情に仇(あだ)なす悪を断つ痛快時代小説!
『無双十文字槍 鬼坊主末法帖』改題作品