私をこんなにして…
大嫌い…
切腹を待つのみの無垢（むく）な美女剣士。
最期の願いと迫られて……

猟師の息子の三吉（さんきち）は父の死を機に里へ下りる道中、女剣士・綾芽（あやめ）が悪行に耽（ふけ）る若殿を殺す所に遭遇する。主命とはいえ、切腹を覚悟した綾芽は、死ぬ前に男を知りたいと言う。無垢（むく）な三吉は驚いたが、透（す）き通るように美しい綾芽に惹（ひ）かれ、濃密なときを過ごす。その後、三吉は、罪を許された綾芽の口利きもあり藩に仕える。だがそこには、とろけ乱れる暮らしが待っていた!?