「わたしはくノ一でしたぞ。一林斎の娘として」
罪作りな“兄”徳川吉宗を救う、“家族”最後の戦いとは!?
紀州(きしゅう)藩薬込役(やくごめやく)の江戸の頭霧生院一林斎(かしらきりゅういんいちりんさい)を喪(うしな)った悲しみが癒(い)えたころ、藩主徳川吉宗(とくがわよしむね)が八代将軍になった。霧生院の一人娘佳奈(かな)は、実は吉宗の妹であることを、一林斎から知らされていたが、城に入れという吉宗の誘いを断わる。母冴(さえ)とともに鍼灸(しんきゅう)療治処を続ける道を選んだのだ。そんな中、吉宗の御落胤(ごらくいん)を名乗る男が京の都に出没し、人と金を集め始めていた……。