国民的作家・佐伯泰英の原点、ここにあり。
滾(たぎ)り、溢(あふ)れる父の情
豊後相良藩(ぶんごさがらはん)二万石の徒士組(かちぐみ)・金杉惣三郎(かなすぎそうざぶろう)は、固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖(さいきたかひさ)から密命を帯びる。何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府ご禁制の切支丹(きりしたん)本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない! 真相を探るべく江戸に潜入した惣三郎は、藩主の分家・斎木丹波(たんば)の企みを嗅ぎつけ……。相良藩の龍虎が激突する一大剣豪小説!