紅葉の名刹(めいさつ)で、
忽然(こつぜん)と消えた美女。
兄は、強盗殺人犯として追われていた──
旅行作家・茶屋次郎、古都の深奥を追う!
紅葉美しい東福寺(とうふくじ)を取材で訪れた茶屋次郎(ちゃやじろう)。だが同行していた地元出版社の美人編集者原口奈波(はらぐちななみ)が突如(とつじょ)姿を消した。彼女の行方(ゆくえ)を追うと、兄の壮亮(そうすけ)と彼の恋人だった石津紀世(いしづきよ)も数年前に失踪していることが判明する。その矢先、紀世の妹真海(まみ)の絞殺死体が鴨川(かもがわ)に浮かんだ。3人の失踪との関わりは? 先斗町(ぽんとちょう)、鞍馬寺(くらまでら)、果ては天橋立(あまのはしだて)と、縦横無尽に探る茶屋の前に現れる古都の闇とは──。