おとうちゃん
おおきに、ありがとお
うっとうしいほど
愛してくれて
「お帰り」が聞こえる下町の涙と笑いの家族小説
大阪・新世界のどん詰まりに店を構える「ラーメン味(み)よし」。放蕩(ほうとう)親父ゲンコの作るラーメンはえらく不味(まず)くて閑古鳥(かんこどり)が鳴いている。しっかり者の一人娘センコは頭を抱える日々だ。最近、ぼんやりしているおばあやんも気にかかる。そんなある日、幼馴染(おさななじみ)の質屋の息子カメヤが東京から帰って来て……。下町商店街に息づく、鬱陶(うっとう)しいけどあったかい、とびっきりの浪速(なにわ)の人情物語。