何故、戦う。
同じ切支丹なのに――。
東北に甦った“神の子”、
それを狙う幕府の“閻羅衆(えんらしゅう)”。
少年は戦いの渦中へと飛び込んだ。
寛永(かんえい)20年12月。原城の生き残りで、天草四郎(あまくさしろう)から力を授けられた聖騎士寅太郎(とらたろう)たちは、東北の切支丹(きりしたん)が危機に陥(おちい)っているという報(しら)せを得、救援に向かった。しかし、辿(たど)り着いた彼らの前に現われたのは、光り輝く衣を纏(まと)った少年だった。その力、その姿は、四郎を彷彿(ほうふつ)とさせたのだが……。幕府の討伐部隊“閻羅衆(えんらしゅう)”も現われ、仙台の地で三(み)つ巴(どもえ)の壮絶な戦いが始まる!