二枚目の同心にして易者は、謎の秘技の継承者!
浮世の珍妙奇天烈な事件ほど、涙あり。
本気で笑って本気で泣ける、人情推理の決定版!
易者として何千人もの顔相を観(み)てきた隠密同心鬼堂民斎(おんみつどうしんきどうみんさい)には、最近、大いに気になる男がいた。男は往来にただ立っているのである。それも10日も。誰かを待っているらしいが、誰を待っているのか本人も知らないらしい。立派な悪党面で近くの店(たな)は気味悪がるばかりだ。そんなある日、大店が賊に襲われ――(待ち人来たるか)。浮世の珍妙は心の妙薬。抱腹と感涙の第3弾!