火付け一味が大岡越前(おおおかえちぜん)を嘲笑(あざわら)う。
町火消しは江戸を救えるか!?
命を的の江戸っ子の意気
「密命も今回かぎりに御免(ごめん)被(こうむ)りとうございます」と、大岡越前(おおおかえちぜん)の密偵役を辞退して半年。金杉惣三郎(かなすぎそうざぶろう)は、家族を連れて初めての旅に出るなど、穏(おだ)やかな日々を送っていた。ところが大岡主導の町火消し再編で、惣三郎の友・芝鳶(しばとび)の辰吉(たつきち)が不当な因縁をつけられる。加えて押し込み先を皆殺しにし、戯(ざ)れ歌(うた)を残す火付け盗賊が跋扈(ばっこ)するに及んで、惣三郎は再び探索に乗り出す!