こんなにも笑い、こんなにも泣ける、
時代小説の真骨頂
強い!面白い!人情深い!
栄三郎より凄い浪花の面々!
取次屋の原点はこの人たちの笑顔にあった。
秋月栄三郎(あきづきえいざぶろう)は又平(またへい)を伴い東海道を大坂(おおざか)に向かっていた。幼少時に通った剣術道場の師・山崎島之助(やまざきしまのすけ)の具合がよくないという文(ふみ)が、父・正兵衛(しょうべえ)からとどいたのである。彼の剣の原点は山崎道場にあった――野鍛冶(のかじ)の家に生まれ武士に憧(あこが)れた少年が、いかにして気楽(きらく)流剣客(けんかく)として“手習い道場”を構えるに至ったか。取次屋を育(はぐく)んだ人々の大活躍に笑いと涙の花が咲く浪花(なにわ)人情譚。